山が多い長野県にはその昔、数千の山城(やまじろ)があったと言われています。
この記事では、戦国時代の山城のひとつで、長野県の千曲市に復元された荒砥城(あらとじょう)について紹介しています。
千曲市城山史跡公園の「荒砥城」
地元の豪族・村上氏の山城
荒砥城(あらとじょう)は、戦国時代に千曲川の流域で勢力を誇っていた村上(むらかみ)氏一族が築城した山城です。
この荒砥城は、武田信玄や上杉景勝がせめた城としても知られています。
千曲川のほとりにある戸倉上山田の温泉街を見下ろす城山には、現在「千曲市城山史跡公園」が整備されていて、公園内には荒砥城の櫓や本郭の館、兵舎が実際に復元されています。
復元された荒砥城に出かけることで、山城があった戦国時代の状況を知ることができます。
また荒砥城は、「風林火山」や「江〜姫たちの戦国」などのNHK大河ドラマのロケ地としても利用されました。
荒砥城の見どころ
荒砥城の門と土塁(石垣)と柵
千曲市城山史跡公園の入口で入園料を払い、3分ほど坂を登っていくと、荒砥城の二の郭入口の門に到着します。
上の写真の正面に見えるのが、二の郭にある櫓(やぐら)になります。櫓は、見張りや防衛をする場所として使われます。
またこの櫓には実際に登ることができ、千曲川流域一帯の景色を360度見渡すことができます。
そして二の郭には兵舎の建物があり、ここで荒砥城の歴史を説明するアニメーションビデオが上映されています。
お屋敷のある荒砥城の本郭
二の郭をさらにすすんでいくと、城山の頂上に到着します。ここに荒砥城の本郭(ほんかく)があります。
本郭は、城主のお屋敷がある場所です。館の建物は、まわりを兵舎や門に囲まれていて、敵に見つかりにくいようにわざと低めに作られています。
お屋敷の中は簡素な作りになっていますが、中に自由に入れるので、城主になった気分で記念写真を撮ることができます。
荒砥城からの千曲川や市街地の眺め
荒砥城には、二の郭の櫓だけでなく本郭にも見晴らし台があります。ここから千曲川の流れに沿って、戸倉上山田温泉街一帯や上田市方面、北アルプスや戸隠山などを見渡すことができます。
実際に櫓に立って見ると、山城がいかに敵を発見しやすい場所にたてられているのかがわかります。こちらに動画を貼っておきますね。
荒砥城のまとめ
復元した山城が見学できる荒砥城
荒砥城の見学の所要時間は、30分ほどでした。
その昔、山城があった場所は、荒砥城のように、今では城址公園として整備されている所が多く、遊歩道なども整備されています。
それらの公園に出かけてみると、土塁の跡から山城が建っていた面影を想像することはできますが、実際に復元された山城で櫓(やぐら)や館を見ることができると、より当時の雰囲気が伝わりやすいです。
長野県の千曲市に旅行に行かれる際は、戸倉上山田の温泉に入りながら、復元された荒砥城に行き、山城がどのような役割を果たしていたのか一緒に見学されてみてはいかがでしょうか?
荒砥城のアクセス・駐車場・入場料
アクセス | 荒砥城は更埴ICや坂城ICから車で20分、姨捨SAスマートICから車で15分。しなの鉄道「戸倉駅」からタクシーで10分。 |
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住所 | |
入場料 | 300円(中学生以下無料) |
URL | 公式サイト |
駐車場 | 有り(無料) |
荒砥城は、しなの鉄道の戸倉駅から歩いても行かれます。ただ戸倉上山田の温泉街から荒砥城までの道は、かなりの急斜面なので歩きだとかなり大変です。
行きはタクシーで、帰りの下り道を徒歩にされた方がよいかと思います。
千曲市周辺のホテル・旅館・日帰り温泉施設
荒砥城がある千曲市戸倉上山田温泉は、明治に開湯した温泉町です。おすすめの日帰り温泉施設は、こちらの記事でも紹介しています。
戸倉上山田温泉にある旅館の中には、入浴付きの日帰りプランを提供しているところもあります。
荒砥城周辺の観光スポット
荒砥城の周辺には、平城の上田城などの観光スポットがあります。