紀伊半島は、日本最大の半島です。紀伊半島は、その面積のほとんどが、紀伊山地で占められています。
紀伊山地には、
- 吉野・大峰
- 高野山
- 熊野三山
と信仰の対象となっている霊場が3箇所あります。
これらの霊場に参拝するための道が
- 大峯奥駆道(おおみねおくがけみち)と
- 熊野参詣道(くまのさんけいみち)
になります。
紀伊山地の三つの霊場と参詣道は、2004年に世界遺産に登録されました。
紀伊山地にある3つの世界遺産の霊場
吉野山(よしのやま)奈良県
吉野山は、紀伊山地の霊場のひとつです。吉野山は、奈良県にある修験道の総本山になります。
修験道とは、山岳信仰と仏教があわさった宗教のことで、厳しい修行をおこなうことで知られています。
吉野山は都に近く、天皇や貴族がよく参詣に訪れていました。
吉野山と言えば、辺り一面に咲いている桜が有名ですね。修験道の開祖である役行者(えんのおずの)がサクラの木に蔵王権現(ざおうごんげん)の像を刻み、吉野山の金峯山寺(きんぷせんじ)の本尊としました。
以来、桜の木は神の木とされ、金峯山寺の参詣者が吉野山にサクラの苗を植えはじめました。
今では吉野山で、3万本の桜を見ることができます。
高野山(こうやさん)和歌山県
2番目の霊場は、高野山になります。和歌山県にある高野山では、816年に空海が、修験者が悟りを得るための道場として金剛峰寺を開きました。
この高野山も吉野山と同じく、信仰の場として皇族や貴族から信仰されるようになります。
高野山については、こちらの記事もどうぞ。
熊野三山(くまのさんざん)和歌山県
そして3つ目の紀伊山地の霊場は熊野三山になります。
和歌山県にある、熊野三山は
- 熊野本宮大社
- 熊野速玉大社
- 熊野那智大社
の三つの大社の総称です。
熊野三山も修行の場として信仰されてきました。
907年に宇多天皇が参拝して以来、貴族や武士が熊野三山に訪れはじめ、また15世紀ごろになると、庶民も参詣するようになりました。
これらの熊野三山のうち、熊野那智大社は、女人禁制ではなく誰でも参拝を受け入れていました。
熊野那智大社には500段近い石段がありますが、その石段を登ると、朱色の鮮やかな建物に囲まれた拝殿前に出ます。本殿は権現造の建物で、横にある舞台では、私達が訪問した時にちょうど舞が舞われていました。
とても神秘的な舞ですね。
また本殿を奥に進み、三重の塔の背景にある那智の大滝は、1段の滝としては133メートルと日本一の落差のある滝になります。
紀伊山地の霊場に向かう参詣道
紀伊山地には、3つの霊場を結ぶ、参詣道が開かれました。
大峯奥駆道
吉野山から大峰山脈を経て、熊野に行く道は、大峯奥駆道(おおみねおくがけみち)と呼ばれています。
大峯奥駆道は、霊場に向かう参詣道の中でも、最も険しい道であるといわれています。ここで修験者たちは、きびしい修行をおこないました。修行の中には、崖の淵から身をのりだす荒行なども含まれます。
熊野参詣道
熊野三山の霊場へ参拝する道は、熊野参詣道(くまのさんけいみち)と呼ばれています。
熊野参詣道の道はいくつかありますが、そのうち
- 中辺路(なかへち)
- 大辺路(おおへち)
- 小辺路(こへち)
が世界遺産に登録されていて、もっとも利用されているのは、中辺路です。
世界遺産の紀伊山地の霊場と参詣道まとめ
紀伊山地だけでも、見応えのある参拝スポットが数多くあります。外国人の旅行者にも人気の、紀伊山地の世界遺産を観光してみられるのはいかがでしょうか?
紀伊半島周辺の観光スポット
紀伊半島には白い砂浜の南紀白浜や新鹿海水浴場などのビーチが多く、橋杭岩などの景勝地や温泉地などの観光スポットが豊富にあります。
紀伊半島周辺の、観光スポットについてはこちらの記事で紹介しています。