大分県の臼杵(うすき)市に、臼杵石仏(うすきせきぶつ)と呼ばれる、岩の壁に刻まれた60体近くの磨崖仏が並んでいる場所があります。

磨崖仏(まがいぶつ)とは、岩壁に掘られた状態のままの石の仏像のことを指します。
臼杵石仏は、芸術的価値も高く、日本を代表する磨崖仏です。
この記事では、大分県の臼杵石仏(臼杵磨崖仏)について紹介しています。
臼杵石仏(臼杵磨崖仏)について
国宝として指定された臼杵石仏
九州の大分県にある臼杵石仏(磨崖仏)群が製作されたのは、いつの時代かはっきりしていないようです。
おそらく平安時代から鎌倉時代の間に、臼杵市の岩壁に掘られたものと考えられています。
日本では全国各地にさまざまな磨崖仏がつくられていますが、そのうち唯一国宝と指定されたのは、こちらの臼杵石仏だけになります。
磨崖仏の仏像は、どれも個性的で、芸術品としても良いぐらい美しい顔立ちをしているものが多いです。
臼杵石仏の4つのグループ
臼杵石仏の磨崖仏群は、次の4つのグループにわかれて並んでいます。
ホキ石仏第一群、第二群
観覧券を購入した後で入口を通り抜けしばらく歩くと、右手に見えてくるのは、ホキ石仏第一群・第二群の石像です。ホキとは、断崖とか崖を意味する言葉だそうです。
ここは如来三尊像や地蔵十王像、阿弥陀三尊像などの石仏が岩壁に並んでいる一角です。上の写真の石仏は、阿弥陀三尊像で、平安時代に彫刻された作品になります。
山王山石仏群(さんのうさんせきぶつぐん)
拝観ルートを歩いていると、次に見えてくるのは、山王山石仏です。私達が訪問したときには、ちょうど修復作業をしていて、中央にいる如来座像のまわりには足場が組まれていました。
上の写真の如来座像が浴びている青い光は、紫外線です。岩壁が水分を含んで苔やシダが生えると、石仏が徐々に傷んできてしまうため、このように紫外線をかけて劣化させないようにしているんだそうです。
こちらの山王山石仏群も、平安時代の作品になります。
古園石仏群(ふるぞのせきぶつぐん)
そしてこちらが臼杵石仏の代表的な石仏である、古園石仏群です。
以前は中央にあった大日如来の仏様の頭だけが、下に落ちたまま展示されていたのですが、今では修復されて元の位置に戻され、現在は美しい状態の大日如来像を、拝観することができます。
臼杵石仏の磨崖仏は、保護のため、すべて御堂の屋根で覆われています。
大分臼杵磨崖仏(石仏群)のまとめ
特徴的な顔立ちの磨崖仏たち
臼杵石仏の磨崖仏は、一体ずつ顔立ちが違っています。
長年の風化で、輪郭が少しぼやけてしまっているものもありましたが、皆それぞれ特徴的な顔立ちをしていました。
特に古園石仏群の大日如来像は、一見子供のような素朴な顔立ちながら、ずっと見ていても飽きない石仏様でした。
大分県に旅行にこられる機会がありましたら、ぜひ一度臼杵石仏をご覧になってみてください。
大分臼杵石仏の営業時間とアクセス・駐車場
アクセス | 臼杵石仏へは、臼杵インターチェンジから車で5分、臼杵駅より車で20分の距離になります。 |
---|---|
入館料 | 大人550円(小人270円) |
住所 | |
営業時間 | 6時から19時まで(10月から3月は18時まで) |
URL | 公式サイト |
駐車場 | 正面に無料駐車場があります。 |
大分臼杵石仏周辺のホテル・旅館
周辺のその他の観光スポット
臼杵石仏は、別府温泉や黒川温泉などの人気温泉地にも近い場所にあります。

