鬼押出しってご存知ですか?
長野県と群馬県の県境にある浅間山が、230年前に大規模な噴火をしました。その時に大量に流れ出た、黒い溶岩跡が見ることができる観光名所を、『鬼押出し』といいます。
この記事では、鬼押出しを見ることができる2つの自然公園、「鬼押出し園」と「浅間園」の料金やアクセス、見どころ、施設の違いについて説明しています。
鬼押出しが見れる2つの自然公園
民間と町営の2つの施設
鬼押出しの黒い溶岩流の跡は、次の2つの自然公園のどちらに出かけても見ることができます。
浅間園と鬼押出し園のどちらにも、観光用の自然遊歩道が設けられています。旅行者は浅間山の雄大な景色を楽しみながら、溶岩跡の中を散策することができます。
なお鬼押出し園と浅間園は、「日本ジオパーク」に登録されています。
浅間園について
長野原町が運営する浅間園
それではひとつめの「浅間園」について、ご紹介します。浅間園は、群馬県の長野原町が運営している公共の自然公園です。
浅間園の営業時間は8:30から17:00まで、金・土・日曜日のみの営業となります。
火山博物館や非常食レストランも併設
浅間園には、自然遊歩道の他にも、次の施設が併設されています。
- 浅間山北麓ビジターセンター
- 休憩コーナー
- スカイロックトレイル
- 浅間記念館
浅間山北麓ビジターセンターでは、浅間山の成り立ちや、高山植物、ジオパークについて展示をしています。
浅間園のアクセス・駐車場
アクセス | 軽井沢駅から鬼押し出しハイウェイを通って車で30分。 |
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住所 | |
URL | 浅間山北麓ジオパーク公式サイト |
駐車場 | 浅間園の入口前には、300台停められる無料駐車場があります。 |
浅間園の自然遊歩道(ヴォルケーノウォーク)を歩く
浅間園の自然遊歩道のコースと所要時間
浅間園の自然遊歩道は、2.5キロメートルの舗装された道で、次の周遊コースから選ぶことができます。短いと25分のコース、長いもので1時間20分ぐらいですね。
見晴台コース | 40分 |
ヒカリゴケコース | 25分 |
しゃくなげコース | 50分 |
溶岩コース | 80分 |
レンゲツツジコース | 25分 |
自然遊歩道の料金は、ビジターセンターの入園料(300円)とセットになっています!
浅間園の遊歩道は舗装されているため、トレッキングシューズなど登山靴の用意は特に必要ありませんが、歩きやすい靴で出かけられることをおすすめします。なお、遊歩道は、ペット連れでも入場することができます。
高原植物を見ながら見晴台コースを歩く
私は今回、40分の見晴台コースを歩くことにしました。浅間園に出かけた当日は、この写真のように、飛んでいる飛行機の形がはっきり見えるほどの快晴でした。
自然遊歩道沿いに、様々な高原植物を観察できます。出かけたのは10月で、浅間山麓は紅葉がはじまっていました。カラフルな春や夏の花もいいですが、枯れた高山植物も絵になります。こちらの花は「ノリウツギ」といって、6月下旬から8月中旬に咲くアジサイのような白い花です。
遊歩道を歩いていくと所々に(以前は避難シェルターとして利用されていた)休憩所が設置されています。
浅間園の見晴台からの景色
浅間山の山頂を左手に見ながら自然遊歩道を歩いていると、見晴台に到着しました。広大な黒い岩だらけの斜面に、黄色の葉が映えます。
鬼押出し園について
プリンスホテルが運営する鬼押出し園
さて次は、鬼押出し園について、ご紹介します。
鬼押出し園は、プリンスホテルが経営している観光名所です。高原野菜の産地として有名な、群馬県吾妻郡嬬恋村にあります。
鬼押出し園の遊歩道マップ
鬼押出し園も、上の写真の遊歩道マップが示すとおり、いくつかの散策ルートの中から、自分の好きなコースを選ぶことができます。
- 表参道コース 510メートル
- 裏参道コース 410メートル
- 高山植物観察コース 700メートル
- 奥の院参道コース 1200メートル
時間が限られているときは、表参道を通って、浅間山観音堂に参拝してから、裏参道を歩いて戻る30分のコースがおすすめです。
少し時間に余裕がある場合は、表参道から観音堂を通って、高山植物観察コースを歩く40分のコースや、奥の院参道をとおる60分コースもおすすめです。
浅間山観音堂の裏手には、厄除け団子や甘酒の売店があって、そこで休憩をとることができます。
鬼押出し園のアクセス・駐車場
先ほどご紹介した浅間園から、鬼押出し園へは車で3分、徒歩で7分と近い場所にあります。
アクセス | 軽井沢駅から鬼押し出しハイウェイを通って車で30分。 |
---|---|
住所 | |
URL | 公式サイト |
駐車場 | 大型駐車場有り(無料) |
鬼押出し園と浅間園の違い
鬼押出し園・浅間園の料金や営業期間など
浅間園と鬼押出し園は、どちらも浅間山の溶岩跡を見ることができますが、入園料金や営業期間、併設している施設について、次のような違いがあります。
浅間園 | 鬼押出し園 | |
入園料 | 300円 | 650円 |
園内ガイドツアー | 館内ガイドあり | 不定期に開催 |
営業時間 | 9時から17時
(4月9日から11月30日、金・土・日のみ営業) |
8時から17時
(通年営業) |
レストラン・土産物屋 | なし | 園内にある |
その他 | ビジターセンター | 浅間山観音堂 |
ペット入園 | 可能 | 可能 |
浅間園の方が浅間山に少し近く、散策路の距離も長いです。見える景色には多少違いがありますが、どちらもゴツゴツした黒い溶岩跡の中を、歩いていきます。
鬼押出し園と浅間園、2つの公園共に、赤いヤマツツジや、天然記念物のヒカリゴケ、ヤナギラン、イワカガミなど、季節毎の高山植物が楽しめます。
鬼押出し園・浅間園のまとめ
黒い奇岩だらけの世界
鬼押し出しの景色、いかがでしたか?
そこらじゅう黒い溶岩だらけの、普段見慣れない光景で、迫力もあって少し怖いぐらい。
なのに何度も足を運びたくなってしまう魅力があるんだよね。
浅間山近くに遊びに来られる際は、ぜひ鬼押出しにも足を運んでみられることをおすすめします。
浅間山の観光について(気象庁の火山情報)
浅間山の噴火レベル
念のため、浅間山の観光情報もお伝えしておきます。浅間山は日本百名山のひとつとして数えられる、標高が2568メートルの活火山です。
日本には現在111の活火山があり、気象庁からそれぞれの火山について噴火警戒レベルが発表されています。
例えば、警戒レベルが2のときは、火口から2キロメートルが立入禁止になります。標高が1400メートル地点にある浅間園や鬼押出し園は、火口から4キロ離れていますので、警戒レベル2の場合でも、観光することは可能です。
(最新情報)2024年4月29日現在の噴火警戒レベルは2です。
山頂火口から概ね4kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が流されて降るため注意してください。
また、降雨時には土石流にも注意してください。噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。
どの山へ行く場合も、事前に気象庁の情報をチェックしたほうがいいね!
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