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直島|アート作品を見ながら島を徒歩とバスでひとり旅

直島の黄色い南瓜岡山

瀬戸内海に浮かぶ島のひとつ、直島(なおしま)へ出かけてきました。

直島は香川県にある、人口が3000人ほどの小さな島です。この島には島のあちこちに、前衛芸術家・草間彌生の水玉のかぼちゃをはじめとした多くのアート作品が飾られています。またベネッセハウスミュージアムなど人気の美術館もあります。

 

 

この直島の観光には、車に、バイク、自転車とさまざまな交通手段が使えるのですが、今回私は直島を、主に徒歩(とバス)だけで、まわってみることにしました。

なぜ徒歩をメインにしたのかというと、特に深い理由はなく、歩きたかっただけです(たまにそういう気分の時ってありませんか?)。

またほとんどの施設が閉まっている月曜日に出かけたので、直島内の美術館やレストランへは立ち寄っていません。けれども直島はただ歩くだけでも、アートな雰囲気にたっぷり浸ることができる島でした。

この記事では、直島を半日かけて観光してきたときのようすをお伝えしています。

 

岡山県の宇野港から直島へ

気軽にアクセスしやすい直島

それではまは直島へ、船で渡ってみることにしましょう。

直島へは、

  • 香川県の高松港(たかまつこう)
  • 岡山県の宇野港(うのこう)

の二つの港から、それぞれ毎日船が出航しています。

直島は高松港からは1日10便、宇野港からは1日20便と数も多く、日帰りでも気軽にアクセスしやすい島です。

 

宇野港から15分かけて直島へ渡る

岡山県の宇野港から旅客高速船を利用すると、15分で(フェリーでは20分)直島の宮浦港へ到着します。

運賃はフェリーと小型の旅客船、どちらを選んでも片道290円(往復割引560円)です。追加料金で車や自転車、バイクもフェリーに乗せられます。

 

瀬戸内海の島々を猛スピードで通り過ぎる

 

車を宇野港近くの駐車場に停めて、朝10時発の船で出航しました。平日の月曜日だったせいか、船には定員の3分の1ほどしか乗客は乗っていませんでした。

船は瀬戸内海の葛島(かづらじま)と荒神島(こうじんしま)の横を通り過ぎて、あっという間に直島の宮浦港へ到着しました。

出かけたのは11月で小雨は降っていましたが、気温は17度と、歩くのにはちょうどよい天候でした。

 

海の駅なおしま

観光案内所で直島のガイドマップを入手

宮浦港に着いて最初に立ち寄った先は、船の到着ターミナルの目の前にある「海の駅なおしま」でした。海の駅なおしまには観光案内所があり、直島のガイドマップが入手できます。

なお事前に旅の計画を立てたい場合、直島観光協会のサイトからも、同じガイドマップや時刻表をダウンロードすることができますので、入手されておかれることをお勧めします。

 

ガイドマップダウンロード(直島観光旅サイト)

 

これらのガイドマップは、直島旅行の予定を立てるときに、とても役にたちました。

 

直島の主要観光エリアは3箇所

直島ガイドマップには、直島の主な散策スポットが、次の3つのエリアであると書かれています。

  1. 宮浦港周辺の「宮之浦エリア
  2. 家プロジェクトのある「本村エリア
  3. 美術館が立ち並ぶ「美術館エリア

では最初に宮之浦エリアを歩き、そこから本村エリアと美術館エリアへはバスで移動して、最後に宮之浦エリアまで徒歩で戻ってくることにしましょう。それぞれのエリアの見どころも、かいつまんで紹介していきます。

 

宮之浦エリアを散策(所要時間30分)

ひときわ目立つ、赤かぼちゃのオブジェ

直島の草間彌生の赤かぼちゃ

 

それでは、宮之浦エリアを散策していきます。

宮浦港の船の到着ターミナルに立ち、最初に目に入るのは、海に面した広場にたつ「赤かぼちゃ」のオブジェです。草間彌生の水玉模様の作品だと、すぐにわかります。

この赤かぼちゃのオブジェは、遠くから目立つだけあって、とても大きく、中には10人以上の人が入ることができます。オブジェの内側は黒く塗られていて、床にもたくさんの水玉模様が外からの光に反射されて浮かび上がっていました。

 

瀬戸内海の無人島、大槌島(おおづちじま)

ちなみに上の写真で、赤かぼちゃの右後ろに見える三角形の島は、大槌島(おおづちじま)と呼びます。この島はグーグルマップには載っていないのですが、直島を海沿いに歩いていると、時々この三角形の島の姿を見かけます。

大槌島は真ん中に線を引いてちょうど半分が香川県で、残りの半分が岡山県の無人島です。瀬戸内海には、他にもたくさんの有人・無人島があります。

 

直島パヴィリオン

直島パヴィリオン

 

赤いかぼちゃから3分ほど歩いたところに、多角形のオブジェがあります。網目状のステンレス網でつくられた、この美しい白い造形物は、「直島パヴィリオン」と言う名前の島に新しく設置されたアート作品です。藤本壮介という建築家の方がデザインしたものだそうです。

この直島パヴィリオンのオブジェの中にも、入って写真撮影をすることができます。

 

迷路に迷い込んだ気分になれる宮之浦エリア

野外に展示されているアート作品以外にも、宮之浦エリアにはおしゃれなカフェや、レストラン、ショップが民家の中で寄せあうように並んでいます。通路も入り組んでいて、迷路に迷い込んだ気分になることができますよ。

歩いていると「I🖤湯」と書かれた、カラフルにデコレーションされた外観の建物を見つけました。こちらの建物は実際に入浴可能な銭湯だそうです。

 

 

本村エリアを散策(所要時間40分)

公共のバスで本村エリアまで移動(7分)

次はバスに乗って、本村(ほんむら)エリアまで移動します。

海の駅なおしまの建物の前にある「宮浦港停留所」から町営バスにのって本村エリアまで移動できます。直島の町営バスの料金は、島中どこまで乗っても一回100円と格安です。約7分ほどの乗車で、木村港の停留所に到着しました。

本村(ほんむら)エリアでは、本村港周辺の家プロジェクトと呼ばれるアート施設や、民家やカフェ、海岸などを散策しました。

 

家プロジェクト

家プロジェクトの南寺

 

木村エリアには「家プロジェクト」という、空き家になった民家を改修してつくられた体験型のアートギャラリーが点在しています。こちらは家プロジェクトのひとつ、「南寺」の木造建物の正面です。

南寺には、アメリカの現代美術家であるジェームス・タレルの作品が展示されています。建物は安藤忠雄の設計です。中がどのようになっているのか興味がありますが、残念ながら今日はすべて休館のため、引き続き町歩きを続けます。

 

インスタ映えスポットが町のあちこちに

直島の本村エリアのブロック塀

 

通りのつきあたりに、点々と黒猫のシルエットが描かれている、ブロック壁を発見。このアイディア、すごくいいですね!

本村港エリアは、それほど広くはなく、20分ほどで散策できます。ゆっくり歩いていると、ところどころで、思わず写真に納めたくなる可愛らしい撮影スポットに遭遇できます。

 

本村港の待合ターミナル

直島の本村港の待合ターミナル

 

このコクーンドームは、本村港を発着する船の待合ターミナルです。

この繭型ドームの前で写真を撮っていると、別の旅行者の方から、本村港はどこですか?と尋ねられました。

確かに一見しただけだと、これが港のターミナルとはなかなか気づきにくいですね。ただ標識がデカデカと表示してあったら、せっかくの雰囲気が半減してしまうので、これはこれで楽しむのが直島らしいのかも。

月曜日ということで、本村エリアの施設もほぼすべて閉まっていましたが、「直島カフェ コンニチハ」という名前の、カレーやリゾットを提供しているカフェが、港近くで1軒だけ営業していました。

さて、木村エリアの散策をすませたあと、近くの砂浜までおりてみました。

 

 

こちらが砂浜に近づいて撮影した動画で、

 

 

こちらが海岸全体をとった動画になります。

天気はあまり良くはなかったのですが、砂浜が綺麗な様子が伝わるかと思います。この透明な海をずっと眺めていたかったのですが、バスに乗る時間が近づいてきました。

 

美術館エリアから宮浦港まで(1時間から2時間)

ベネッセアートサイトまでバスで移動(5分)

木村エリアから美術館エリアへも、町営バスに乗って移動しました。

本村港のバス停をスタートし、終点のつつじ荘停留所でおりると、ベネッセアートサイトの入口に到着します。

 

黄色いかぼちゃのオブジェ

 

目の前の石の鳥居をくぐると、もう一つの草間彌生の作品、黄色いかぼちゃのオブジェが右手に見えてきます。辺りにはあまり人気がなく、思う存分オブジェの写真を撮ることができました。

このベネッセアートサイトの入口から出発地の宮浦港まで戻るには、4キロメートルの道を歩く必要があります。

黄色い南瓜をあとにして、ベネッセハウスミュージアムの方向へ歩いていきます。

 

ベネッセハウス&ミュージアム

ベネッセハウスは、遠浅の海に面した場所に建てられたホテルです。

ミュージアムが併設されていて、ホテルの宿泊客は、無料で入館することができます。

ホテルのミュージアムショップ手前の芝生広場で彫刻作品を鑑賞したあと、テラスレストラン前のベランダに座り、しばらく休憩します。

これまでの時点で、10人以上の団体客を見かけることは皆無でした。私以外は数人の自転車で観光しているグループ、または個人や二人組の観光客の方達ばかりでした。

 

宿泊者専用桟橋に野外彫刻

直島のシップヤードワークス

 

歩きを再開してしばらくすると、再び野外のアート作品がいくつか展示してある場所に到着しました。

上の作品が大竹伸朗作の「シップヤード・ワークス 船尾と穴」で、

 

ベネッセ宿泊者専用桟橋

 

こちらはベネッセハウス宿泊者専用の桟橋になります。海の景色が背景となって、これもひとつの芸術作品のようです。

 

李禹煥(リー・ウーファン)美術館

李禹煥美術館

 

ベネッセハウスミュージアムの横を通り過ぎ、海岸を背にして歩いていくと李禹煥美術館の横を通りかかりました。

李禹煥美術館は、モノ派の作品をつくりだす現代アーティスト李禹煥(リー・ウーファン)の作品を展示する美術館です。石や鉄板を組み合わせた作品が、安藤忠雄設計のコンクリートの打ちっ放しの建物とうまく組み合わさっています。

 

地中美術館(ちちゅうびじゅつかん)

つづいて見えてくるのは、地中美術館の正面玄関です。地中美術館ではモネの睡蓮を見ることができます。現在は完全予約制になっていて、当日の受付ではこちらの美術館に入館することができません。

この地中美術館の建物も日本を代表する建築家、安藤忠雄が設計しています。直島に来るまでは、直島=草間彌生のアート作品が展示されている島というイメージだったのですが、実際に来てみると、直島は安藤忠雄の建築物も堪能できる場所であるということがわかります。

今回は外歩きがメインで建物ばかり目にしてきたせいか、余計にそう感じました。

地中美術館を通り過ぎると、道沿いに睡蓮の池を模した小さな庭が現れました。池の周りに花壇があり、たくさんの可愛らしい花が植えられていました。

 

 

出発地点の宮浦港へ戻る

直島から宇野港へ行くフェリー

 

美術館エリアを通り過ぎ、しばらく海沿いの道をひたすら歩いていくと、目の前に直島パヴィリオンが現れてきます。出発地点の宮浦港に戻って来ました。

岡山県の宇野港を朝出発して、直島の観光にかかったトータルの所要時間は、4時間半ほどでした。

帰りは赤い水玉模様のついたフェリーで岡山県の宇野港へ戻りました。そして宇野港に隣接した「瀬戸内温泉 たまの湯」という日帰り温泉施設で旅の疲れを癒しました。

 

直島をバスと徒歩で観光してみた感想

香川県の直島を、徒歩(とバス)でまわってみた感想です。

 

徒歩とバスで直島を観光するメリット

旅行費用が安くてすむ

直島の観光エリアを周遊する町営のバスは、乗車1回が100円と格安です。直島ではレンタサイクルを安価で借りることができますが、徒歩だとさらに費用を節約することができます。

 

自分のペースで島の自然や風景を楽しみながら旅ができる

直島八十八ヶ所のお地蔵さん

 

直島の徒歩の旅は、他の交通手段ではなかなか気づけない、道端の小さな花や自然の変化も見逃さずに楽しめることがメリットです。

また直島には四国本土と同じように、八十八箇所の札所があります。それぞれの札所には表情の異なるお地蔵さんがまつられています。

ウォーキングの途中も、お地蔵さん達に、旅の安全をお願いしながら進むことができました。

 

直島を徒歩で観光するデメリット

時間がかかり、季節によっては体力を消耗する

これはやはり徒歩だと、どうしても時間がかかることでしょうか。

つつじが荘停留所から宮浦港までは、アート作品を見ながら進むと約1万2千歩、およそ1時間半ぐらいかかりました。

今回出かけたのは秋の小雨の日だったため、涼しく感じられて快適でした。ただ暑さや寒さが厳しい季節は、へばってしまうかもしれません。

 

直島を観光するその他の交通手段

美術館エリアはベネッセのシャトルバスが運行しています。

また直島ではレンタル自転車/バイクのショップがあります。変速なし自転車のレンタルは300円からと、手頃な価格から提供されています。

 

直島旅行のひとり旅まとめ

のんびりできる月曜日の旅もおすすめ

直島では、アート作品をはじめ、素敵な自然の景色にたくさん触れ合うことができました。島内の交通手段も整備されていて、日帰りの旅でも楽しめる場所でした。

今回の旅では、休みの施設やレストランが多かったせいか、観光客も少なく、のんびりできました。

もちろんお店や施設の営業日に訪問すれば、さらに充実した観光ができるかと思います。けれども島をひとりじめしたい気分の時は、月曜日の旅もおすすめです。

 

 

海の駅なおしまへのアクセス

 
アクセス宇野港から高速船で15分(フェリーで20分)、高松港から高速船で30分(フェリーで50分)
住所
URL香川県サイト

 

周辺の観光スポット

周辺には、豊島や小豆島など、瀬戸内海の島々があります。

 

 

 

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ガイドメモ

フリーランスガイドをしています。日本国内の旅行スポットについて、自分で書き留めたメモを、記事にして紹介しています。

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