歌舞伎(かぶき)の舞台は、歌舞伎役者が通る花道の他にも
- 「奈落(せり)」
- 「廻り舞台(まわりぶたい)」
など、色々としかけがありますよね。歌舞伎の舞台で使われている仕掛けがどんな仕組みで動いているのか、興味がありませんか?
だからといって歌舞伎の舞台にあがって見学する機会って、なかなか無いと思うんですが、香川県の「旧金比羅大芝居金丸座」では、観光客のあなたも昔の歌舞伎の舞台にあがれるんです。
この記事では、香川県にある「金丸座」で歌舞伎の舞台を見学したときの様子を紹介しています。
なお東京の歌舞伎座についての記事は、こちらをご覧ください。

金丸座の歴史
日本で一番古い歌舞伎の舞台
江戸時代からはじまった、伝統芸能の歌舞伎。香川県の琴平町には、江戸時代の後期(1835年)に建てられた、日本で一番古い歌舞伎の芝居小屋があります。
旧金比羅大芝居(通称:金丸座)と呼ばれる、国の重要文化財に指定されたこの芝居小屋では、今でも定期的に歌舞伎の公演が行われています。

金丸座は、普段は一般公開されているので、中を見学することができますよ。
金丸座を見学
芝居小屋の入り口
金丸座へは入場料の500円を払って中へ入ります(高校生300円、小学生200円)。一度に大勢が入れないよう、わざと狭く作った入口です。
昔は履物をここで預けて、番号がかかれた木札をもらっていました。
花道(はなみち)と平場・桟敷席
こちらは、芝居小屋の中にある花道と平場や桟敷席と呼ばれる観覧席です。花道(はなみち)とは歌舞伎役者が出入りをするため、観客席に設けられた通路のことです。演じる歌舞伎役者さんとの距離が、近いですよね。
中央の畳の上に木枠で一つづつ囲ってあるのが、多くの観客が座る、平場の席です。両脇には桟敷席があります。
格子状の天井は竹で編んであり、ここから花吹雪を散らせるそうです。
金丸座のマークである、鶴のちょうちん。
金丸座の歌舞伎の舞台と仕掛け
舞台にあがって奈落やまわり舞台の位置を確認
次は実際に金丸座の歌舞伎の舞台に上がって、奈落や廻り舞台の位置を確認してみましょう。廻り舞台とは、舞台の中央が回転して場面を一度に変えることができる装置のことです。
奈落は「セリ」とも呼ばれています。奈落は廻り舞台の一部がスライド式に上下移動して、歌舞伎役者が出入りできる所です。実際に歌舞伎の舞台にあがって間近で見ると、床を切り抜いてある箇所がよくわかります。
その他にも「かけすじ」と呼ばれる、役者が宙乗りになる装置もありました。
舞台下の仕掛けを見学
舞台裏には、歌舞伎役者が化粧や着替えに使う畳部屋があります。役者さんの控え室を見学したあとは、舞台下にも入ってみましょう。
舞台下では、奈落や廻り舞台の仕掛けがどう動いているのか見ることができます。こちらは、廻り舞台を4人がかりで押しながらまわす仕掛けです。天井から押し棒が下がっているのが見えますか?廻り舞台は人力だけで動かしていたんですね。
こちらは奈落(セリ)の入り口です。歌舞伎役者の衣装を着てこの入口から出入りするのは、狭くて大変そうです。
金丸座の定期公演「こんぴら歌舞伎」
毎年4月に行われる歌舞伎公演
金丸座では、現在も歌舞伎の公演「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が、毎年4月に2週間半ほどの期間で行われています。
チケットなど詳細はこちらのサイトをご確認ください。
昔の歌舞伎小屋に座って、間近で歌舞伎役者の演技が見られるなんて贅沢ですね。ぜひ一度見てみたいです。
金丸座の歌舞伎舞台の見学まとめ
こんぴらさんの参拝と一緒に
昔ながらの歌舞伎の舞台、いかがでしたか?こんぴらさんをお参りした時に、一緒に金丸座(旧金比羅大芝居)にも寄ってみられると楽しいかと思います。
東京の歌舞伎座で公演を見る際の参考にもなりますので、おすすめです。

金丸座へのアクセス・営業時間・駐車場
旧金比羅大芝居の金丸座は、「こんぴらさん」の愛称で知られる金刀比羅宮の参道から、歩いて5分の場所にあります。
アクセス | 高松市から車で1時間、善通寺インターから17分。 |
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住所 | |
営業時間 | 9:00~17:00 |
駐車場 | こんぴらさんの参道入口に有料駐車場あり |
その他の四国の観光スポット
金丸座の見学は、こんぴら参りとあわせると効率よくまわれるかと思います。また香川県の有名な庭園である栗林公園の記事は、こちらをお読みください。

