岩手県の平泉(ひらいずみ)町は、東北地方のちょうど中間の地点にあたります。
平安時代にはこの平泉を拠点として、藤原氏が100年の間、陸奥や出羽を治めていました。現在では藤原氏が平泉につくった寺院や庭園、遺跡が、ユネスコの世界文化遺産として登録されています。
この記事では、平泉の中尊寺の見どころと歴史について紹介しています。
中尊寺について
平泉に100年の平和の時代
岩手県にある中尊寺は、東北地方の天台宗の大本山です。平安時代の850年に、慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって開山されました。
平安時代の後期、豪族の藤原氏が100年間、四代に渡って平泉を拠点に奥州(現在で言う東北地方の中部エリア)を治めていました。
藤原氏初代の藤原清衡(ふじわらのきよひら)は、戦乱の世を平和な場所にするため、この世の浄土を平泉に作ろうとしました。
そして合戦で亡くなった人を供養するため、中尊寺に大伽藍(だいがらん)を建てました。大伽藍とは、大きなお寺の意味になります。
中尊寺の見どころ
中尊寺の金色堂
平安時代後期の1124年に建てられた中尊寺の金色堂(こんじきどう)は、その名の通り、ほぼすべてが金箔で覆われていて、極楽浄土を表しています。
中尊寺の金色堂は、写真撮影が禁止されています。上の写真に見えるのは新覆堂です。この新覆堂の建物の中に金色堂が納められています。
黄金の島・ジパングの由来となった金色堂
金色堂には、御本尊である阿弥陀如来三尊像(あみだにょらいさんそんぞう)がまつられています。金色堂の内部装飾には、蒔絵が施された漆工芸や、夜光貝、アフリカゾウの象牙、宝石などが使われています。
この黄金の金色堂のことを伝え聞いたマルコ・ポーロが、日本を「黄金の島・ジパング」と呼んだことでも知られています。
中尊寺の金色堂は戦後、金箔がはがれた状態のままになっていましたが、修復作業がおこなわれ現在の新しい金色堂へと復活しました。
黄金はどこから調達したのか
岩手県を流れる北上川では、8世紀の半ばから砂金がとれていました。藤原氏の政治の拠点である平泉は、北上川の流域にあり、中尊寺の金色堂の建設にはその砂金が使われました。
北上川でとれたこれらの金は、他の地域との交易にも使われていました。
経蔵(きょうぞう)
釈迦如来がまつられた中尊寺の本堂
旧覆堂
金色堂を見たあとは、旧覆堂も見学してみてください。旧覆堂は、現在の新覆堂の前に金色堂を覆うために使われていた建物です。
現在旧覆堂の中では、金色堂の案内ビデオが上映されています。また平泉にゆかりのあった、源義経の絵が飾られています。
讃衛蔵(さんこうぞう)
讃衛蔵には、高さが4.85メートルある阿弥陀如来坐像、二体の薬師如来坐像をはじめとした国宝や重要文化財がおさめられています。
国宝である中尊寺経は、現在讃衛蔵に展示されています。中尊寺経は、金文字、銀文字で書かれている国宝のお経です。
讃衛蔵は、金色堂と共通の入館券で入場できます。
中尊寺のハスの池
こちらは、中尊寺の坂の上駐車場の隣にあるハスの池です。4代泰衛公の首桶からハスの種が発見され、その種子から開花したハスだそうです。
中尊寺の見どころまとめ
光り輝く金色堂が見どころの中尊寺
いかがでしたか?中尊寺の見どころはたくさんありますが、なかでも中尊寺の光り輝く金色堂は有名で、毎年多くの観光客が訪れています。
金色の世界遺産を見に、岩手県の平泉に出かけてみてはいかがでしょうか?
中尊寺のアクセス・駐車場・拝観時間
アクセス | 中尊寺へはJR東北本線の平泉駅から徒歩で30分、車で10分。平泉前沢ICから車で10分。 |
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住所 | |
営業時間 | 8:30~17:00(11月4日から2月末は16:30まで) |
URL | 公式サイト |
駐車場 | 有り(有料) |
中尊寺の駐車場はいくつかありますが、一番近いのは「坂の上駐車場(金剛院前駐車場)」です。
坂の上駐車場は、駐車料金が一回500円かかりますが、金色堂の裏手にあり徒歩2分で移動できますので、あまり歩きたくない人にはおすすめの駐車場です。
少し歩いても大丈夫な方は、中尊寺金色堂から徒歩で10分の場所に、「中尊寺第1」、「第2駐車場」という公共の駐車場も2箇所あります。駐車場の料金は400円です。
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