石川県には、輪島塗り(わじまぬり)という伝統工芸品があります。
輪島塗は、大変高価な漆器です。能登半島の輪島市には、輪島塗の器やお盆など販売するショップがあり、たくさんの作品を実際に見ることができます。
また輪島市には、沈金や蒔絵の体験ができる輪島塗の工房があります。
この記事では輪島塗りの工房で、蒔絵体験をしてきたときの様子を紹介しています。
輪島塗りとは?
輪島塗りは能登半島の伝統工芸品
石川県の輪島市といえば、伝統工芸品の輪島塗(わじまぬり)が有名です。
石川県の能登半島では、昔から漆(うるし)にまぜて下地にする良質な地の粉がとれていたことから、漆塗りが室町時代から現在まで続けられてきました。
輪島市には、輪島塗の器や工芸品のショップが立ち並ぶ
輪島といえば、屋台が並ぶ輪島の朝市が有名です。この朝市の通りにも、輪島塗の器や工芸品を販売するお店が点在しています。
輪島塗の器は、日常で使う漆塗りの器よりもかなり高額なものが多いです。
100以上の工程を経て完成する輪島塗の器
なぜ輪島塗りがそれほど高いのかというと、理由があります。それは、普通の漆塗りの手法にさらに作業がプラスされ、できあがるまでに100以上の工程を経ているからだそうです。
手間暇がかかる分、値段がアップしてしまいます。
輪島塗りの体験工房
輪島塗の体験工房「塗太郎」
石川県の輪島市には、輪島塗の工程の一部が体験できる工房があります。塗太郎は、その工房のうちのひとつです。
塗太郎の体験コースは、次の2つから選ぶことができます。
- 蒔絵体験:職人さんが漆を塗った器の表面に、絵模様をつける
- 沈金体験:器の表面に溝を彫って、装飾する
漆塗の蒔絵体験コースに参加する
自分の好きな器を選んで蒔絵を体験する
私は今回蒔絵の体験コースに、参加してみることにしました。
蒔絵の体験コースは、自分で好きな輪島塗りの器を選ぶところからはじまります。お皿や湯のみ、茶碗など、選ぶものによって金額が変わります。
器と体験料込みで、おおよそ1000円から10000円までの料金がかかると考えておけば良いかと思います。
私はたくさんある器の中から、悩んだ末に、湯のみを選びました。
まずは筆で漆を塗る
湯のみの蒔絵デザインは、椿の花にしました。まずは筆で、湯飲みの表面に接着剤がわりになる漆を塗っていきます。
色粉を上からかけて、はけで余分なこなをはらう
漆を塗ったその上から、色がついた粉をかけていきます。ここで粉をたくさんのせすぎてしまうと、マットな仕上がりになってしまいます。花びらや葉っぱに、それぞれグラデーションをつけたい場合は、慎重に少しずつ様子をみながら、別の色の粉をのせて混ぜます。
そして最後にはけで、余分な粉をはらいます。
最後に職人さんに仕上げてもらう
あっという間に、スタートしてから1時間ほど時間がたってしまいました。最終的に職人さんに、仕上げをみていただきます。
できあがった輪島塗りの湯のみが、上の写真のものです。椿の花びらや葉っぱの陰影が、少しだけですが出ていますね。
塗太郎の工房の職人さんにアドバイスをいただきながら、ようやく完成できました。自分ひとりだけだと、難しかったかと思います。
輪島塗の体験教室まとめ
体験することで輪島塗りの工程が理解できる
実際に自分で輪島塗りの工程に参加しながら、職人さんに話を聞いてみると、輪島塗りの漆器がいかに手間がかかる工芸品なのか、よくわかります。
石川県の能登半島にきたら、せっかくなので輪島塗りの体験にも参加されてみられるのはいかがでしょうか?
塗り太郎のアクセス・営業時間・駐車場
アクセス | 金沢市から輪島市までは、車で1時間50分。 |
---|---|
住所 | |
営業時間 | 8:00~17:00 |
URL | 公式サイト |
駐車場 | 塗り太郎から歩いて2分の場所に輪島朝市専用の駐車場あり(1回300円) |
能登半島周辺の観光スポット
輪島塗りの体験教室に参加されたあとは、輪島市でつくられている「いしる」という魚醤をスープにした、貝汁を食べたり、白米千枚田の棚田を見にいかれることをおすすめします。