東京の御茶ノ水駅から5分歩いたところに、湯島聖堂(ゆしませいどう)という観光名所があります。
漆黒で独特の外観が印象に残る湯島聖堂は、学問にゆかりのある史跡です。そして毎年たくさんの人が、合格祈願に湯島聖堂を訪れています。
この記事では、東京都文京区にある、湯島聖堂に出かけてきたときの様子を紹介しています。
湯島聖堂について
儒学の創始者「孔子」をまつる霊廟
湯島聖堂(ゆしませいどう)は、東京文京区にある漆黒の観光名所です。一見お寺のようにも見えますが、お寺ではなくて、孔子廟(こうしびょう)という建物になります。
孔子廟とは、儒学の創始者、孔子の霊をまつる建物のことです。
孔子廟は、お寺や神社とくらべると全国に数は少ないですが、長崎県や栃木県、岡山県などにも建てられています。
そして東京都文京区湯島にあるこちらの湯島聖堂は、日本にある孔子廟の代表的な建物になります。
日本の学校教育発祥の地
湯島聖堂がある場所は、日本の学校教育発祥の地として知られています。
江戸時代、幕府が日本に儒学を広めるために、儒教の創始者である孔子をまつる「孔子廟」と「昌平坂学問所(しょうへいざかがくもんじょ)」を湯島に設けました。
昌平坂学問所は、儒学の教育の場として建てられた学問所になります。昌平坂学問所は、のちの東京大学や御茶ノ水女子大学の源流となりました。
湯島聖堂を散策
世界一大きな孔子像
それでは湯島聖堂を散策してみましょう。湯島聖堂の入口から大成殿へ向かう途中にたてられているこの像は、世界一の大きさの孔子像です。
孔子は、紀元前5世紀の中国の思想家で、儒教の創始者です。孔子自身が大変な勉強家で、数多くの教え子がいたことで知られています。
独特の雰囲気がある大成殿
次に孔子とその孫や門人(弟子)がまつられている大成殿に向かいます。石段をあがった先に、写真のとおり、真っ黒な大成殿の建物が見えてきます。
私が訪問したのは平日で、大成殿は閉まっていました。大成殿が一般公開されているのは、土日祝日の午前10時から午後5時までで、その間は中に入ることができます。
伊東忠太が設計した湯島聖堂には怖い顔の像がいる
湯島聖堂の黒塗りの建物は、独特の雰囲気がありますよね。特に大成殿の屋根のシャチホコや像は、とても迫力があります。この写真の手前にある、怖い目の怪物のような像は、鬼龍子(きりゅうし)という名前がつけられています。
湯島聖堂の建物は、伊東忠太(いとうちゅうた)という、明治時代の有名な建築家が設計しています。伊東忠太は明治神宮や東大正門、築地の本願寺を建てた人物で、妖怪研究者としても知られています。
妖怪好きの伊東忠太は、この鬼龍子のような不思議な動物の彫刻を、自分の設計した建物に取り入れることでもよく知られています。
湯島聖堂の境内には学問の木が
湯島聖堂内には、楷の木(カイノキ)の巨木が生えています。楷の木は学問の木、合格の木だそうです。漆黒の湯島聖堂の建物に、紅葉した黄色の葉がよく映えていました。
湯島聖堂まとめ
全国に十数カ所ある孔子廟
平日の午後、静かな雰囲気の中で、湯島聖堂を参拝することができました。
孔子廟は全国に十数か所あります。機会があれば、他の孔子廟にも訪問してみたいと思いました。
また、明治の建築家、伊東忠太の設計した建築物めぐりをするのも面白そうですね。
湯島聖堂のアクセス・拝観時間・駐車場
アクセス | 湯島聖堂は、JR御茶ノ水駅東口から歩いて5分です。 |
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住所 | |
拝観時間 | 9:30~17:00 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
湯島聖堂と湯島天神の違い
湯島聖堂は孔子廟で、湯島天神は神社
なお東京都文京区内には、湯島聖堂の他に「湯島天満宮(湯島天神)」という神社があります。
湯島天神も湯島聖堂と名前が似ているので、どちらか混乱してしまうかもしれませんね。
湯島天神と湯島聖堂は、次のような違いがあります。
- 湯島聖堂:孔子をまつる孔子廟
- 湯島天神(湯島天満宮):菅原道眞公をまつる神社
湯島聖堂に湯島天神、どちらも学問の神さまで知られている観光名所になります。
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