石見(いわみ)は、島根県西部の旧国名です。石見といえば「石見銀山(いわみぎんざん)」が有名ですよね。

石見銀山は、戦国時代の1526年から大正時代までの約400年のあいだ、たくさんの銀を算出しつづけました。
今は閉山となっていますが、石見銀山の遺跡は、周辺の鉱山町や港町とともに、2007年に世界遺産に登録されています。
この記事では、島根県の石見銀山の観光の見どころや、歴史について紹介しています。
島根県の世界遺産:石見銀山の歴史
日本の大銀山があった石見
今から500年近く前の1526年、神屋寿禎(かみやじゅてい)という名前の博多商人が、石見銀山の開発を始めました。
16世紀半ばから17世紀前半までの最盛期に、石見銀山で産出された銀は、世界の銀生産量の3分の1を占めていました。石見銀山の名前は広く世界に知られていて、ボリビアのポトシ銀山と共に、「世界の2大銀山」と呼ばれていました。
石見銀山は江戸時代には幕府の直轄地に
徳川家康は、江戸幕府をひらいた1600年に、石見銀山を幕府の直轄地にして管理しはじめます。

石見銀山の大量の銀は、江戸幕府の財政を支えつづけました。
世界との交易をもたらした日本の銀
石見銀山の銀は、朝鮮や中国をはじめ、遠くはスペインやポルトガルなどヨーロッパの国にも輸出されました。
日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルは、日本を「銀の島」と名付けています。
石見銀山の観光の見どころ
大久保間歩の坑道
石見銀山の観光名所としてまず最初にご紹介するのは、銀の採掘場所になります。石見銀山の銀の採掘跡で、一番規模が大きいのは、「大久保間歩(おおくぼまぶ)」と呼ばれる坑道です。

間歩=坑道は、採掘のために掘られた通路のことです。
大久保間歩では、江戸時代の手掘りの跡と明治以降の機械堀りの跡の両方を見学することができます。
大久保間歩の坑道内は、普段は一般公開されていません。3月から11月の金・土日祝日にガイド付き有料ツアー(所要時間2時間、予約必要)に参加することで、坑道の中を見学することができます。
大久保間歩ツアーの出発地点は、石見銀山世界遺産センターになります。
石見銀山世界遺産センターのアクセス・駐車場・営業時間
アクセス | 出雲ICから車で1時間 |
---|---|
住所 | |
入場料金 | 大人310円(小人150円)展示室利用の場合 |
営業時間 | 8:30〜17:30 |
駐車場 | 有り(無料) |
龍源寺間歩の銀山坑道
龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)は、江戸時代に使われていた坑道です。大久保間歩の鉱山跡とは違い、こちらの坑道は、元日を除き、一般公開されています。
石見銀山の観光の拠点となる、石見銀山公園から片道で徒歩45分かかります。移動にはレンタサイクルを借りることもできます。
龍源寺間歩へのアクセス・駐車場・営業時間・入場料金
アクセス | 手前の石見銀山公園から出発して徒歩15分。 |
---|---|
住所 | |
営業時間 | 9:00〜17:00(12月から2月は16:00まで) |
入場料金 | 大人410円(小人200円) |
駐車場 | 石見銀山公園の駐車場にとめる。空きがない場合は石見銀山世界遺産センターの駐車場から周遊バスで移動。 |
銀山の管理拠点だった大森の町
石見銀山から3キロ地点にある大森の町は、江戸時代に幕府が、代官所や武家屋敷を置いて、銀山の管理拠点としていました。
大森代官所の役人であった河島家の武家屋敷や、商家の熊谷家の住宅は一般公開されていて、中を見学することができます。
大森は銀山の町として栄えましたが、1800年の大火で町の3分の1が焼失してしまいました。その後は燃えにくい屋根にするように命じられ、現在のような瓦屋根が並ぶ町ができました。
ちなみに大森の町の印象的な赤い瓦は、石州瓦(せきしゅうがわら)と呼ばれ、強く防水性にも優れた瓦だそうです。中国地方ではこの赤い瓦の屋根を良くみかけますよね。
石見銀山資料館(大森代官所跡地)のアクセス・駐車場・営業時間
アクセス | 石見銀山公園から徒歩14分。 |
---|---|
住所 | |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
入場料金 | 大人550円(小人250円) |
駐車場 | 石見銀山公園の駐車場にとめる。空きがない場合は石見銀山世界遺産センターの駐車場から周遊バスで移動。 |
羅漢寺の五百羅漢
羅漢寺の五百羅漢(ごひゃくらかん)は、銀山で働いて、亡くなった人の霊を供養するためにつくられた、500体の石仏が並んでいる場所です。
羅漢寺へのアクセス・駐車場・営業時間
アクセス | 石見銀山公園から徒歩3分 |
---|---|
住所 | |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
入場料金 | 参拝無料(本堂の2階は300円で入れる) |
駐車場 | 石見銀山公園の駐車場にとめる。空きがない場合は石見銀山世界遺産センターの駐車場から周遊バスで移動。 |
銀が運ばれた港と港町
石見銀山から車で20分ほど北西に離れた場所に、沖泊や鞆ケ浦、湯泉津という名前の海岸沿いの町があります。
沖泊(おきどまり)に、鞆ケ浦(ともがうら)、湯泉津(ゆのつ)は、石見銀山から銀山街道を通って運ばれた銀を、船に積み込む港町でした。
現在でも沖泊や鞆ケ浦海岸には、銀を運ぶ船を海岸にとめておくための「鼻ぐり岩」が多数残されています。
沖泊へのアクセス
住所 | > |
---|---|
アクセス | 石見銀山世界遺産センターから車で23分。 |
湯泉津へのアクセス・駐車場
温泉津は1300年の歴史のある温泉街です。外湯は「元湯」と「薬師湯」の、2つの公衆浴場があります。
アクセス | 石見銀山世界遺産センターから車で20分。 |
---|---|
住所 | |
駐車場 | 温泉津観光案内所「ゆうゆう館」の駐車場を利用する。 |
鞆ケ浦へのアクセス
住所 | |
---|---|
アクセス | 石見銀山世界遺産センターから車で19分。 |
島根県の世界遺産:石見銀山の観光まとめ
徒歩でゆっくり見て歩く石見銀山の観光
石見銀山の坑道がある場所と、代官所がある大森の町のエリアは、車の通行規制がされています。「石見銀山公園」もしくは少し離れた「石見銀山世界遺産センター」に車をとめて、観光エリアは徒歩またはレンタサイクル、またはベロタクシーを利用して散策することになります。
また龍源寺間歩の坑道と大森の町では、それぞれ500円のワンコイン定時ガイドツアーも開催されていますので、石見銀山の歴史について知りたい方は、利用されてみてはいかがでしょうか?
石見銀山周辺のホテル・旅館
周辺の観光スポット
島根県の西部の旧国名は石見ですが、東部の旧国名は出雲になります。出雲大社は、島根県の代表的な観光スポットです。


↓
世界遺産 大久保間歩一般公開限定ツアー(石見観光)